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2021-02-28

ご挨拶

貞享3(1686年)創業の「小柳」の再生と、
浅間温泉のエリアリノベーションを目指しています。

貞享3(1686年)創業の歴史を持つ老舗「小柳」を引き継いだのは2018年3月のこと。浅間温泉の潜在的な魅力とお湯の素晴らしさに惹かれて、「小柳」の再生を引き受けました。駐車場がないのに巨大な収容人数。階段と段差だらけの建物…。無理難題が山積みの旅館ではありましたが、小柳の再生は、同時に、全国に数多くある元気のなくなった温泉街、そして地方都市の活性化のために「私たちは何ができるのか?」という挑戦でもありました。

「松本十帖」プロジェクトは、貞享3(1686年)創業の歴史を持つ老舗「小柳」の再生プロジェクトであり、浅間温泉のエリアリノベーションプロジェクトでもあります。

一般的にこのようなプロジェクトには公的資金も多く投入されていますが、この「松本十帖」は完全な民間プロジェクト。「民間事業者による地域活性化プロジェクト」、しかも「中小企業によるプロジェクト」として多くの方からご注目をいただいております。

敷地内に「HOTEL 本箱」「HOTEL小柳」という2つのホテルと、ブックストア、ベーカリー、ショップ、レストラン、ハードサイダー醸造所などが点在。さらに敷地外に「おやきとコーヒー」「哲学と甘いもの。」という2つのカフェがあります。

その昔、浴衣のお客さんが温泉街を歩く姿は当然の風景でしたが、現在、そのような温泉街はごくわずか。この浅間温泉だけでなく、全国の温泉街に元気がありません。

その理由として大きいのが、昭和40年代以降の旅館大型化です。旅館内にラーメンコーナーやカラオケスナックがつくられ、旅館は「閉じた空間」になってしまいました。以前の小柳も同じで、結果、温泉街を歩く人はどんどん少なくなってしまったのです。

今回のエリアリノベーションでは、「温泉街に宿泊客が回遊すること」「日帰りのお客様からも魅力的な浅間温泉にすること」を目指しています。閉じていた旅館を地域に「開放」すること。その象徴として入り口を4か所に設けて敷地内を回遊できるようにし、さらに宿として一番重要な場所にブックストアとベーカリーを配置しました。

一般的な旅館と比較すると不便な点があるかもしれません。そもそも敷地内に駐車場がありません。ご宿泊者の駐車場は敷地から徒歩3分、カフェ「おやきとコーヒー」の横にあります。チェックインはこのカフェで。その後、歩いてホテルに向かっていただきます。もちろん送迎車も巡回していますが、皆様に歩いていただくことが浅間温泉の活性化につながると考えています。

私たちに見えている近未来の浅間温泉は、たくさんのお店ができて、湯坂や山手通りなどのメインストリートに人が溢れていること。その呼び水として敷地外に2つのカフェを作りました。

コロナ禍中でのプレオープンということもあり、なかなか賑わいは戻りませんが、数年後、浅間温泉には木工作品を扱うギャラリーやハイレベルなレストラン、ちょっといい感じのカフェなどがたくさんできていると思います。宿泊施設も設備投資に踏み切って、さらに快適な旅館が増えていることでしょう。

もちろんあくまで「予測」です。というより「妄想」に近いかもしれません。行政の計画と違って予算はゼロですし、まちづくり計画があるわけでもありません。とはいえ、実は「おやきとコーヒー」の目の前にパン屋さんができることが決まりました(当社の経営ではありません)。実際に街は、人は、動き始めているのです。

正直な話、設備投資額が莫大な旅館経営は楽ではありません。エリアリノベーションとなればなおさら、です。私たちの計画に「無謀すぎる」とおっしゃる方も少なくありません。とはいえ、行政の計画を待っていては何も始まりません。まずは自分たちでできることを。いずれ松本市や長野県が浅間温泉の景観整備などに予算を割いてくれることを期待しています。

まだ松本十帖プロジェクトは始まったばかり。この計画は皆様のご支援なくしては成り立ちません。皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社小柳
代表取締役 岩佐十良

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